介護にまつわるエトセトラ

看護師・主任介護支援専門員・FP3級のつぶやき

田舎の噂と負担

母の心配、そして父の頑固

 

父が自宅に戻ってからというもの、母の心配が増えた。もともと気の利かない性格で、楽しみといえば食べることくらい。友達もいない父は、外に出て誰かと話すこともほとんどない。田舎の小さな家での生活に、母は父の世話と仕事の両立で疲れ気味だ。私は離れて暮らしているため、母からの電話で父の近況を聞くたびに、手伝えない申し訳なさとどうしたらいいのか分からないもどかしさが入り混じる。

 

そんな中、母がふと「仕事を辞めようかと思っている」と漏らしたことがあった。理由を聞けば、父が何かあったときに近所の人から「あそこの奥さん、仕事に行って留守の間にご主人が倒れたらしい」と言われるのが嫌だというのだ。私は驚いて「えっ、そっちなの?」とつい言ってしまった。心配で仕事を辞めるのかと思いきや、母が気にしているのは近所の目。昔から、あそこの娘さんがどうしたこしたと

話題になるし、嫁入りの時は嫁入り道具を近所の人にお披露目する地域だったことを思い出した・・・

 

 

父の転倒と田舎の視線

 

ある日、母から電話があった。「お父さん、散歩に行った帰りに転んだ!」と、少し興奮気味に話す母。幸い、大きなけがはなく家に戻ったそうだが、近所の人がわざわざ知らせに来てくれたという。「あそこのご主人、道で転んではったで」と。それだけなら親切な話だが、その後の言葉が母をひどく怒らせた。「病気で変な歩き方してはったわ」――そんなことを噂話にしている人がいたらしい。

 

母は気が強いから「失礼な話だし今度会ったら文句言う!」と感情をぶつけてきた。本当にその後文句を言ったかは不明だか。

私もその言葉を聞いて腹が立ったが、同時に田舎特有のこうした“他人の家の出来事がすぐ噂になる”環境にあ~そういう土地柄だったとまた思った。

 

        転んだ父